小唄について解説

「蓼派創立85年記念演奏會」リポート

蓼派創立記念演奏會は創立45年記念と50年記念を新橋演舞場にて、創立60年記念は国立大劇場、創立70年記念は新橋演舞場にてそれぞれ開催された。以来15年ぶりに平成25年6月28日創立85年記念演奏會が三越劇場にて開催された。

蓼派創立85年記念演奏会パンフレット

「蓼派創立85年記念演奏會」ご挨拶

 初夏の候、皆様にはますますご健勝の事と、お慶び申し上げます。
 蓼派は昭和二年八月に東京府の許可を得て、公式に初代家元蓼胡蝶が誕生いたしました。以来今日まで八十五年の長きにわたり、蓼派の小唄が継承されてまいりました。本日、その祈念の演奏會を開催出来ますことは、偏に蓼派一門の師匠方のご尽力と、門弟の方々のご精進と、ご後援を戴いております皆様方のご協力の賜物でございます。
 かつて小唄が一世を風靡した時代の規模には及ぶべくもありませんが、現役の師匠、門弟一同の小唄への情熱と蓼派の真髄を後世に伝えるという高い志は、今も変わらずに続いております。
どうぞこれからも皆様方のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
 本日は蓼派の礎となりました名人上手の先輩師匠の代表曲を、それぞれの継承者が演奏する特別番組「蓼の栄」も組ませていただきました。どうぞ最後まで、ごゆっくりとお楽しみ下さい。
 本日はご来場賜りまして誠にありがとうございました。

平成二十五年六月二十八日

蓼派会会長 蓼 津留葉  役員一同

午前11時 開演前
四代目会長蓼津留葉師匠、蓼胡満佳副会長以下常任理事の幹部役員が勢揃い
三越劇場楽屋の神棚にお神酒を奉げ、会の盛会と無事進行を祈願

四代目会長蓼津留葉師匠、蓼胡満佳副会長以下常任理事の幹部役員

午前11時30分
幕開けの客席にもかかわらず、満席に近いお客様

幕開けの客席にもかかわらず、満席に近いお客様。会場の写真

開演 蓼派オールスターズ

蓼乃会、四葉会のベストメンバーによる合奏

ご祝儀曲:白扇 ライブ録音を再生するには、下のコントローラー左すみの三角矢印をクリックして下さい。


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> 「白扇」の解説はこちらをお読み下さい。

舞台面:金屏風 / 緋毛氈
舞台花:芍薬の庭の設え

ご祝儀曲 白扇

 唄:胡満桜 / 胡伊葉 / 胡正沙 / 津留葉 / 胡満佳 / 胡茂 / 胡菜三 / 津留紫乃
 糸:史実 / 津留浅よ / 津留好 / 胡満千加 / 競雪野 / 胡宏(替手)

午前11時40分〜 一般正会員の演奏開始

舞台背景:鳥の子屏風に転換
写真:午後12時10分頃

一般正会員の演奏

 唄:輝光しず / :鈴緒 / 替手:胡鈴子


午後5時40分「蓼の栄」

三越劇場540席を埋め尽くし、後部壁際も立見で超満員の観客席を前に約1時間遅れで始まった
特別番組「蓼の栄」蓼派のレジェンドの名曲を各継承者が演奏する
舞台背景:障子のある座敷の設えに転換


蝶弥、胡里

二代目家元蓼胡蝶の得意曲
「三つの車」「よきことを」

> 「よきことを」の解説はこちらをお読み下さい。

二代目家元の直弟子
 唄:蝶弥
 糸:胡里


初代胡宇女の代表曲「染あげて」「浮世風呂」

 唄:胡宇里(初代胡宇女直弟子:現在二代目胡宇女) / :胡宏

蓼胡鈴の代表曲「河庄」「春雨に降られて」

 唄:鈴子正(胡鈴孫弟子) / :胡鈴子(胡鈴直弟子) / 替手:鈴緒(胡鈴直弟子)

蓼胡津留の代表曲「箕輪心中」

 唄:津留紫乃(胡津留直弟子) / :津留紫加(胡津留直弟子) / 上調子:津留浅よ(胡津留直弟子)

蓼胡穣の代表曲「提灯つけて」(蓼胡穣作曲)

 唄:胡薙(胡穣直弟子) / :胡宏(胡穣直弟子) / 替手:史実

胡菜三、競雪野

蓼胡寿の代表曲「唐崎心中」(蓼胡寿作曲)
「お互いに」

 唄:胡菜三(胡寿直弟子)
 糸:競雪野

胡伊葉、胡葉菊、胡文雄

蓼胡伊久の代表曲「ここを勝負」「夜桜」

 唄:胡伊葉(胡伊久直弟子)
 糸:胡葉菊
 替手:胡文雄

胡正沙、競雪野、競文

蓼胡競の代表曲「恋慕流し」(蓼胡競作曲)

 唄:胡正沙(胡競直弟子)
 糸:競雪野(胡競直弟子)
 替手:競文(胡競直弟子)

二代目胡茂、茂和香

初代蓼胡茂の代表曲「水さしの」「忍ぶ夜は」

 唄:二代目胡茂(初代胡茂直弟子)
 糸:茂和香


蓼胡房の代表曲「夕焼けの」「ほどほどに」

 唄:房多恵(胡房直弟子)<胡房直弟子の胡治の代演>
 糸:競雪野

胡満佳、胡満千加

蓼胡満喜の代表曲「曽根崎」

 唄:胡満佳(胡満喜直弟子)
 糸:胡満千加(胡満喜直弟子)

津留葉、胡宏

初代家元蓼胡蝶の代表曲「白菊」「置炬燵」
(二曲とも初代蓼胡蝶作曲)

 唄:津留葉(胡津留直弟子)
 糸:胡宏

午後7時30分終演
最後まで残って熱心に聴いて下さった沢山のお客様に対して、
会を代表する四代目蓼津留葉会長の心よりの御礼のご挨拶の後、賑々しく手締めで終了。

手締め
小唄蓼派会

四季折々の小唄の解説